誰でも思うんだろうけど、パチョコに慣れてくるとキーボードに不満が出てくる。「このキーでこうできたらいいのになぁ」とか。キーボード中心ユーザーにはわりと大きな問題であり、ワープロ時代の影響がまだまだ大きく残っている俺には、かなり深刻な問題だ。
アプリ標準の、基準のわからぬショートカット。ビルダーは
ほんとにイライラする。Ctrl+Bで<B></B>のセットを出すくらいなら
他にやることがあるだろう? ユードラにしても[Shift+F5]とか[Ctrl+F6]とか、どういう判断で決めてるのだろうか。無理な手の動きでAlt+Space+XとかAlt+F4を押すくらいなら、素直にマウスを使ったほうが早いのだ。
そして、そんなパチョコ側の事情による非合理に隷属してやるほど俺は甘くない。なぜならパソコンというものは、こんな不満を解消できるお宝だからだ。ワープロとは違うのだよ。ワープロとは。
そこで昨日、あちこちうろつきまわって要求を叶えてくれそうなソフトをいくつか入手した。ほとんどはわずかな試用で落ちたものの、ふたつばかりがふるいの中に残っていた。
ひとつは
Max Min Keyboardといい、CtrlやAlt、Winなどのシフトキーを使ってウィンドウの最大化・最小化・元に戻す・アクティブウィンドウを常時最前面に設定・それを解除・アクティブウィンドウを最背面にまわす……などができる。しかし機能のわりにはリソースの消費が激しく(約9%)、もちろん常駐するので少々使い勝手が悪い。シフトキー以外の変更もきかないし。フリーソフトなので、これはメモリの環境が改善されてから使うようにしよう。
もうひとつは
猫まねきと名乗った。こちらはキーボードのカスタマイザで、多くのサイトで紹介を見かけたことから、きっと有名なんだろう。
こいつはすごい。アドレナリンが出る。キーコードの発生から変えちゃうので、とにかく強力。一部の特殊キーを除いては、なにをどんなようにも変えられる。つまり、メモ帳に(俺の大好きな)Ctrl+Sをつけることなど
造作もないのだ。しかもキー設定をいくつかのグループに分けてアプリごとに使用不使用を設定できるため、「ビルダー専用のキー設定」とか自由自在。
とりあえずWin+Enter周辺のキーで最大化とかウィンドウサイズ変更とか、Ctrl+Escで閉じるとか、さらにCtrl+半角・1・2で貼り付けコピー切り取り、ビルダーに関してはWin+Q・W・Eで作成画面を変えられたりと、かなり自分専用テイスト。キー操作入力代行という機能を使えば、Alt+F+B+T+B+Enterと入れて
「Ctrl+Shift+Sを押すと、全保存後にブラウザへ送ってプレビュー」なんてこともできる。
このキー操作入力代行は、まんまその通りで、指定したキー操作を代わりに押してくれるだけだ。すなわち、Altを使ってメニューバーから追う場合は、実際にプルダウンして選択行が動いていったりして、かなりオートメーションな気分。美しくはないが、それだけにどんなアプリにも柔軟に対応できるのである。
入力代行にはキー操作の他に文字列も可能で、メールアドレスでも入れておくと簡単な操作で一発入力。スタートメニューのように階層構造にできるので、大量に登録しても気にならない。「簡単な操作」というのは、これも自分の思い通りに変えられるからだ。あるいは、マクロを用いると "00/02/17
(月) 0:20 ぴろあき" という感じで任意のタイムスタンプも作れる。
また、おまけ的機能としてマウスキーというのもある。お好きなキーでマウスのカーソルを動かせるというものだ。似たような機能はWindows標準でついているが、こっちの方が遥かに上である。
カーソルの移動速度や自動加速も細かく設定できるし、なにより自分の使いやすいキーに割り当てられる。テンキーの数字で移動、0で左、.で右クリック、マイナスとプラスで上下スクロールとか設定すれば、ちょっとした操作ならそれこそマウスはいらぬ。画像ソフトとかでドット単位の位置合わせをする時も楽々だ。あまつさえ、加速/減速ボタンというマウスにはない機能まであるのだから恐れ入る。
一昨日に書いたソース書き環境では、唯一更新ボタンを押す時にマウスを使う必要があったが、これならば0を押すだけでいい。左クリックする時に動いちゃって、カーソルが更新ボタンから外れてしまうこともない。
ちなみに、この機能はお好きなキーでon/offできるので、数字のテンキー入力を殺すことはない。完璧だ!
他、細かいとこまで丁寧に作りこまれていて、大変好感がもてる。質の良い同人誌に巡りあった時と似た気分。ヘルプも実に詳細に書かれていて、かえって読みにくいという始末。
設定の仕方がえらいややこしくて憶えるのは苦労するが、それだけに使いこなしがいもあるってものだろう。特にIMEのキー設定もカスタマイズしてる場合、これとのバッティングにも注意しなければならない。
ついでにリソースの消費も激しく、メモリが128MBのせいか10〜15%くらいは軽くもっていかれる。
この猫まねき、シェアウェアではあるが、これだけの機能で700円というのはタダに等しいのではないだろうか。試用期間は2ヵ月あるものの、期限切れを待たずしてユーザー登録することであろう。