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日付 題名 記事の要約
2001.4.1 Open the Scrawl Notes 嘘をつく日
2001.4.2 それでも明日を見つめて。 食器洗い器の罠
2001.4.3 我が家の素敵なガス給湯器。 命がけの入浴
2001.4.4 風強きは春近き証なり。 桜色の嘘
2001.4.6 わかめやきそば。 わかめやきそばの罠
2001.4.8 すっかり春です。 綺麗と汚いの対比の妙
2001.4.11 ○目薬を差す・注す・点す 目薬の妙
2001.4.14 静寂と孤独の底辺にて 物思う風邪引き
2001.4.17 春小説。 ぬる小説執筆記
2001.4.20 今日の日記。 お茶の水探検記
2001.4.23 今日の晩飯〜v 三種の神器
2001.4.24 命の砕ける音。 空飛ぶ黒色潜水艦1
2001.4.26 俺的吉野家の考察 ネギ抜き撲滅の章
2001.4.30 きゃきゃきゃきゃ!ついに! 空飛ぶ黒色潜水艦2

Open the Scrawl Notes

2001.4.1.Sun

 さて。ページフォーマットがまだできてないけど、今日から Scrawl Notes を書き始めることにしよう。早く書きたくてたまらんのだ。
 このページは、俺のとっても大好きな雑記のページ。話をまとめる必要もない、わざわざオチをつける必要もない、お気楽が極楽なページ。
 もういくらでもどれだけでも書けるけど、あんま一人で暴走してるとパチョ奮闘記の二の舞になるので、ちこっとはエンタテエメントなことも考えよう。人に優しく!優しくね!これ大事!目指そう人に優しいサイト作り!(気に入ってるねアナタ)
 あぁいかん。今日はなにかひとつ嘘をつかないといけない日なのだ。うむ。
 siteCTS本日堂々オープン!充実したコンテンツで貴方の余暇を楽しいひとときにします!どうぞ気軽にお立ち寄りください!
 これでよし。


 我が家には食器洗い機なる文明の利器がある。たくましい水流で汚れを吹き飛ばしてくれる画期的文明の利器だ。科学は欲望と堕落を糧として進化していくのである。「食器洗い機」はその象徴的存在だとは思うまいか。
 本日2130時、たまには俺が洗ってやろうと親孝行な考えをもよおし、食器をセットして洗剤を入れた。
 しかし終わった頃合いを見計らって取り出すと、汚れがちっとも落ちてない。実はこいつを全然使ったことがないのだけど、やはりこの手のものは信用できないのだ。これなら手で洗った方がよっぽどましである。なにが科学だ。生命の理、神の領域にまで踏みこむ現代の科学力はこの程度なのか。皿のひとつも満足に洗えんでなにがDNAだ。なにがクローンだ。まったく。

 話は変わるが、Pentium4 搭載のパソコンは紛れもない高性能だ。DOHC32バルブの楕円ピストンを採用したエンジンは間違いなく高性能だ。
 だが、彼らはスイッチを入れるなりエンジンをかけるなりしなければ、その真価を発揮することはできない。同様に、食器洗い機といえども相応の事前儀式が必要だ。洗剤を入れて蓋を閉めるだけではいけないのである。
 今日も空は青かった。海は果てしなく広かった。現代科学はやっぱり強かった。文明の利器万歳。
 冷蔵庫に入ってたからなんとなく喰ってたそれが、実は梨ではなく青りんごだということを、半分ほど食したところで気がついた。
 春はもう目の前だ。


 ボバン!
 時々そんな声でワイルドに叫ぶ、我が家の風呂釜。3面記事の端っこに「給湯器爆発で1人死亡」の見出しが載る日は近い。
 大抵のことでは動じない僕であるけれど、それと危機感がないことは違うわけで、かなりびくびくしながら風呂に入る日々。素っ裸で血まみれは胎児みたいで嫌だなぁ。


 最近風の強い日が多いですね。バイクでの早朝出勤も厳しさが和らぎ、天気の良い日は気分の良さにまかせてアクセルを握る手にも力が入ります。まだまだ寒い日は多いけれど、お昼の時間だってだいぶ長くなりました。
 そろそろ春が近いようです。おあつらえ向きに外では桜が満開です。
 僕はまだ花粉症にかかってないので、春は大好きです。心が和みます。桜の樹が大好きです。幹と花の絶妙な色合いを見てると詩人になれます。やわらかいお日さまの下、桜の樹を眺めながら歩く天神原公園が好きです。大好きな人と手をつないで散歩するのが好きです。
 そんな妄想を延々と広げていると、キーボードに灰皿ひっくり返してジャリジャリいわせながらピンク色の嘘を書いてても全然ブルーになりません。


 カップやきそばってあるよね。かやくとお湯入れてふやかしてお湯捨ててソース入れて混ぜていただきます。うん、それ。作り方なんか見なくてもわかるやつ。
 カップラーメンとかハンバーガーとか、身体に悪そうなものが好きなので、カップやきそばもよく食べるのね。新しいのとか出ると大体試食の刑で、「塩カルビやきそばは一生買わない」という誓いも最近立てたくらいです。
 今日食したカップやきそばは、「わかめやきそば」。げ。なんだこの味。これはちょっとヤバいんでないですか? 作った奴の舌ってどういう構造ですか? それはそれはもう塩カルビなんて目じゃないですか?
 …はて。このやきそば、たしかワカメなんて書いてなかったような。いや、でもこれは間違いなくワカメだ。あれ。
 不思議に思ってふたを見てみると、やっぱりワカメなんてどこにも書いてない。お。ちょっと待て。ここに小さく書いてある。やっぱりこれはワカメやきそばなのだ。

 「今ならワカメスープ付!(カップにお湯を入れてお召し上がりください)」


 桜が散ってます。風に吹かれるたび儚く儚く散ってます。桜吹雪の中をバイクで走り抜けると、とても綺麗。散った花びらは僕をひとしきり楽しませてくれたあと、車に踏み潰されて、路肩で泥とごちゃまぜになって、汚いゴミになるだけです。
 近所にちょっと有名な桜並木があるんですが、そこに大きなマンションが建つらしいです。付近の住民さんはよほど気に食わないのか、手あたり次第に「自然を汚すな」とか「美しい環境を守れ」とか「静かな住宅街に巨大マンションはいらない」とか、大きなベニヤ板にペンキで書きなぐってずらーっと並べてます。
 儚く散る桜を楽しむ前に、圧倒的な数の汚い看板が否応なしに目に入ります。
 毎年のお花見はここでやってるんですが、今年はこんなんなので別のとこへお散歩に行きました。


 知ってます? 目薬って、容器がまつ毛とかについちゃいけないんですよ。ばい菌が入って薬が痛むらしいです。そうすると、目薬が目毒になっちゃう。
 だから、目薬を差す時は2階からやらないといけないんです。

 友達がね、目ン玉に突っこみそうな勢いでグワッてやるんですよ。雫を落とすんじゃなくて、直に注ぎこむ感じで。そりゃもう豪快ってなくらい。
 彼の場合、「目薬を刺す」と言った方がいいかもしれないです。


 春風邪を引きました。そんな風邪はありませんでした。
 僕はとても感傷屋さんなのですが、熱が出るとさらに磨きがかかります。「そろそろ人類は滅亡してもいいよね」とか言い始めます。これだけ好き勝手やってきたんだから、もう神様に返してもいいと思うのです。
 それは感傷というかなんか別のものなんですが、これも人恋しさの裏返しなのかもしれないです。誰かに看病してほしいです。誰かに心配してほしいです。一人で寝てるのは寂しいです。
 普段出てこない自分が、そこにいるのです。
 熱が引いたらいなくなるんですけどね。


春小説。

2001.4.17.Tue

 桜の匂いも消えてしまいましたね。春の匂いまで消えてしまったようで少し寂しいです。でも、桜の樹は青々とした葉っぱをいっぱいに伸ばして、また来年に綺麗な花を咲かせるため、日夜頑張っているのです。
 今年は色々と忙しくてまだ書いてないんですが、毎年春になると小説を書きます。別にそう決めてるんじゃなくて、単に書きたくなるのです。現に今もうずうずしてます。もう少しして時間ができたら書こうかな、と。
 といっても、ちゃんとしたものじゃなくて、必ず途中で飽きてそのままポイです。これも毎年恒例。だから一冊の本にしたくてもできません。とほほ。

 小説を書く時は、風景描写や心理描写を考えるのが好きです。書いてる時は完全に酔ってるので、あとで見返すと恥ずかしくてたまらない。でも、それが楽しくてたまらない。
 中でも桜と雨の描写が好きで、必ず入れます。それがやりたくて書いてるようなもんですから。ゆえに舞台の季節はいつも春で、どこかで雨が降ります。困ったものですね。まぁいいんです。

 去年の春はちょうど暇だったので、1ヵ月費やしてたくさん書きました。文庫本サイズにすると200ページくらいになるかな。主人公+準主人公×2の3人を設定して、それぞれでまったく違う物語が進んでって、それでいて各物語が絡みあってるっつぅ、実力不相応な小説。まぁいいんです。

 そんで、準主人公の一人、七瀬いつみさん(14)。主人公の妹。
 この年の春小説は、彼女の出番のひとつである7-3章がちょぴり気にってるので、ちょこり載せてみることにします。まぁいいんです。どうせ本編が日の目を見ることはないんだから。
 思いきり途中から切り取ってるので話は見えませんが、その辺は雰囲気を感じる程度にあっさり風味でお願いします。

 ここでの登場人物は、七瀬いつみさんと、お友達である安原香代子さんの二人だけ。
 一部分とはいえ結構長い(30KBくらい)ので、時間のない人はやめといた方がいいです。あと、ヌルいのが嫌いな人は絶対にやめた方がいいです。確実に全身かきむしり病にかかります。
 そいでは行ってらっしゃい。


今日の日記。

2001.4.20.Fri

 今日は仕事の打ち合わせではるばるお茶の水まで行ってきた。俺は町田市と神奈川県の境い目に在住してるので、ちょうど東京都横断ツアーとも言える。
 朝、エレベーターで1階へ降りる時、見たところ20代前半の若人と乗り合わせた。ぱりぱりのスーツ。傷ひとつない鞄。みなぎる生命力。頑張れ新入社員。しかし君はなんでそんなに臭いのかな。まるで50を過ぎたおじさんの頭部みたいな悪臭。地獄のような15秒間。
 さらに、切符を買って駅の階段を上る時、ふと見上げた先にコギャルのパンツを認めた。汚ねえもん見せんじゃねえ。
 朝っぱらから立て続けに不快な思いをして、すっかり気を悪くした俺。

 町田駅。ここから小田急線に乗って新宿まで行くのだ。現在、朝の8時。ごった返す人、人、人。殺人ラッシュ。直立も困難な急行電車に、俺は乗った。殺人電車。皆はそうまでして会社に行きたいのか。電車に乗る習慣がない俺には、地獄のような40分。
 ふと眼下に目をやると、40cmほど下にかわいらしいOLさんがいた。視界に入らなかったので気づかなかった。電車が揺れるたびにむぎゅーっと密着する。うん、悪くないね小田急線。
 ところがこのOLさん、なにかやたらもじもじしてる。心なしか、俺をちらちら見てるような気がする。駄目ですよ、僕、売約済みですから。
 しかしそれにしちゃ様子が変なので、ちらりと見てみると、後ろで顔の赤いオヤジが今にもイキそうな表情を醸し出している。これはもしかしてやっぱりアレなんだろか。でも勘違いだったら格好悪いなぁ。もしかしたら上司と部下で変態プレイを愉しんでおられるのかもしないし。それだったら邪魔しちゃ悪いよね。
 試しに、電車の揺れに乗じて自分の後ろに隙間を作ってみると、ちっちゃいOLさんはすかさずすり抜けてオヤジから離れた。おぉ。これはやっぱりアレだったのだ。初めて見た。どきどきだ!
 さて、どうしよう。正義漢を気取るのもいいけれど、あいにく俺はそこまで格好よくない。オヤジにもたぶん家族がいるだろうし、OLさんにも恥をかかせてしまう。さて、どうしよう。こんなのは初めてなので、どうすればいいのかわからない。
 そうこう考えてるうちにOLさんは逃げるように降りてしまい、オヤジと俺だけが残される。さて、どうしよう。とりあえず鉄道警察屋さんに突き出してもしらばっくれるだろうので、登戸で降りようとしたオヤジの腕をがっしりと掴んで、新宿までご同行いただいた。オヤジは抵抗してたけど、そんなん無視である。あくまでも無視である。警察行きが会社の遅刻ですむんだからいいじゃないか。

 新宿で見知らぬオヤジとのランデブーを終えた俺は、次に中央線へ出向いた。これでお茶の水まで行くのだ。入ってきた電車は201系だった。201系。まだ使ってたのか省エネ電車。
 俺の記憶が正しければ、103系全盛の時代に颯爽と登場したハイテク電車、201系。中央線は、付近の鉄道マニヤの自慢の種だった。当時、俺はまだ小学生だったような気がする。
 その頃は我が横浜線も、京浜東北線と中央線と総武線の中古車両をごちゃまぜにして、青と赤と黄色が混在するという世にも珍しい電車だった。休日ダイヤもなかったし、まだクハモハモハサハモハモハクハという7両編成だった。
 八王子と東神奈川を結び、横浜まで行かない、世にも珍しい横浜線。今では8両編成になって、専用の車両も与えられて、休日ダイヤも作られて、あまつさえ意味のわからぬ快速まで登場したけど、俺はそんな横浜線が大好きだ。
 ゴキゴキとうるさい省エネ電車に揺られながら、俺は鉄道マニヤだった少年時代へ想いを馳せていた。ゴキゴキとうるさい。ほんとにうるさい。諸君も古い電車に乗る時は、車両の横を見て、「モハ」と書いてあったらやめておこう。「サハ」が一番静かでよろしい。

 さて、お茶の水に到着である。見知らぬ街、お茶の水。ここで俺のことを知ってる人は一人もいない。誰も俺のことを知らない。孤独になる街、お茶の水。
 約束の喫茶店に到着するも、30分も早いので相手はまだ来てない。ふむ。とりあえず、好きなエスプレッソを頼んで煙草に火をつける。窓の外を見やると、道路の向かいにボロい空き缶回収器があった。空き缶を入れるとお金が出てくるやつ。
 昔は空き缶回収器も結構見かけたのに、今は絶滅寸前である。寂しいものだ。少年の頃はいい小遣い稼ぎになったものだけど。
 なんとなく見ていると、驚いたことにこの回収器は現役のようである。コンビニ袋に空き缶を詰めたおじさんが、ちらほらとやってくるのだ。家のないおじさんが。俺が少年の頃やっていた小遣い稼ぎを。
 空き缶回収器はアルミ缶しか入れられないので、おじさんは袋から出した缶がスチール製だと、そのまま放り出していた。ふたつの缶が勢いに逆らわず転がり、歩道の真ん中で存在を主張する。おじさんはお小遣いを受け取ると、そのまま旅に出てしまった。後には、空き缶だけが残されていた。歩道を歩く誰もが、彼のことなど気にもとめなかった。それは、なんと寂しい光景だろう。
 打ち合わせをしている時も、空き缶のことが気にかかって仕方ない。これが終わってもまだ転がっているようなら、俺が引導を渡してやるか。そんなことをずっと考えていた。
 しかし、何本めかの煙草に火をつけようとした時、次にやってきたおじさんが「彼」を拾い上げた。そしてスチール製であることを確認すると、そのまま脇のゴミ箱へ入れたのである。うん、いい街だ、お茶の水。

 打ち合わせを終えて外に出ると、とても良い天気だった。このまま帰るのもつまんないし、せっかく知らない街に来たのだから、少し散歩でもしようか。
 そう思ってうろうろ歩きまわる。きょろきょろする。面白いものがいっぱいある。計量器ランド。ここにはなにがあるのだろう。パリコソタクー。ここにはなにがあるのだろう。帝国探偵事務所。これは関内にあるアレと同じものだろうか。
 夢中になって歩いてたら、駅の方角を忘れてしまった。歩けど歩けど、見憶えのある場所に出ない。これはひょっとして迷子というやつだろうか。
 実は迷子もそう珍しいことではない。年に一回くらいはやってしまう。でも、迷子は結構好きだ。どきどきする。だって、ここで迷子になっても死なないし、帰れる保障もある。だから探検気分も楽しめる。誰一人として、俺が迷子で困ってるなどと気づかないのだ。しっかりと目的地があって歩いてる人と同じに見えるのだ。こんなどきどきすることも、そうそうない。

 おなかが空いたので、途中の吉野家で飯を喰う。昼飯時のせいで賑わっていた。店員の教育が行き届いていて、気持ちの良い挨拶でお客さんを迎えていた。お冷を頼むと、忙しいのにとても愛想良く接してくれた。これは感心だ。
 牛鮭定食を食しながら店員さんを見ていると、ひとつの事実に気がついた。目が笑ってない。うん、いい街だ、お茶の水。

 それからさらに30分くらい迷子になっただろうか。向こうに電車のガードが見えた。同時に、短い旅も終わりを告げた。
 はて。どうしたことだろう。ここは来たことがある。見憶えのある光景。デジャヴュ。そう、ここを曲がると向こうに電車の博物館があるのだ。その通りにあった。電車の博物館。もしかしてここって秋葉原。おかしい。俺はたしかお茶の水の街を探検していたはずなのだが。
 仕方ないので怪しい電気パーツ屋を物色してまわり、帰路につく。駅のホームで路線図を見たら、お茶の水と秋葉原はとても近かった。なるほど、それは知らなかった。帰りの小田急線では疲れが出て居眠りをこいた。疲れた。

 町田駅に着く。やはり地元は良いな。ヨドバシに寄ったりしてまた歩きまわる。夕方になるとまたおなかが空いたので、今度は松屋に寄ってみた。この間友人から耳にした話では、松屋では牛丼が290円で食せるらしい。そのせいで吉野家のシェアが奪われつつあり、対抗策として異例の150円引きをやったところ、とんでもない反響を呼んだとのことである。吉野家マニヤの俺としては気になる話である。
 とりあえず松屋の牛丼がどんなものか、試食の意味を兼ねて頼んでみた。喰ってみた。まずかった。さすが290円。
 しかしコンビニ牛丼に比べれば遥かにマシであり、味噌汁までついてこの値段なら充分にお得である。これは吉野家もうかうかしてられないぞ。

 そろそろ家に帰ろうと思い、バイクを停めてあるとこへ戻ると、駐車禁止の札が貼ってあった。俺のかわいい彼女に汚ねえもん貼るな。
 帰宅してからちょこっと雪子ちゃんと遊んで就寝。今日は良い夢が見られそうである。


今日の晩飯〜v

2001.4.23.Mon

 4パック100円の納豆。インスタントの味噌汁。ちょっと高かった浅漬け。婆ちゃん謹製の殺人梅干。よく冷えた南アルプスの天然水。そして丼いっぱいの炊きたてご飯と、定番のごま塩ふりかけ。それだけ。
 あぁ! この幸せをいったい誰と分かちあえというのだ!


命の砕ける音。

2001.4.24.Tue

 春ですね。日もだいぶ長くなって、東京では19時を過ぎてもまだ暗くなりません。考えてみれば夏至まであと2ヵ月ほど、当然です。
 少し遅い啓蟄といったとこでしょうか、最近、虫んこがすごいです。部屋にいっぱい出てきます。
 本当は虫んこといえども殺生はしたくないのですが、見つけ次第撃沈しなければなりません。なにせ彼らは放っておくと空飛ぶ黒色潜水艦になるのですから。大樹の苗は小さいうちに摘んでおかねばならんのです。

 多い時は数時間で10hitもあたり前。下手なとこひっくり返すと5hit Chainだって可能。

 幸いにも大型の黒色潜水艦は見かけないのですが、たぶん「見かけない」だけなのでしょう。人間と同じで、幼き命は生き残るすべを知らないだけなのでしょう。大型のやつは、間違っても人の身体をよじ登ってきたりはしませんから。
 そうこうしてる間にもまたひとつ、命がティッシュにくるまれて散ります。たまに撃ち損じると、脚が何本かなくなって引っくり返ってじたばたします。そんな時は思わず天を仰ぎます。せめて考える間もなく瞬殺するのが唯一の免罪符だというのに……。
 ティッシュの中で、ちょっと向きが悪い時は、プチと音がする時もあります。その音は紛れもなく、……。


俺的吉野家の考察

2001.4.26.Thu

 実は前々から思ってたんだけどさ、吉野家で「つゆだく」とか「つゆ抜き」とか頼んでる奴らって一体なんなの? そんなのお品書きにゃないのよ? あったり前の顔して「大盛、つゆだくで」とか言ってる馬鹿見ると無性に腹が立つ。かー!
 まぁ吉野家も客商売だからさ、その程度の我侭は聞いてやってもいいと思うし、聞いてくれるところが好きなんだけどさ、ネギ抜きってのはなんなのヨ?
 いいからお前はもうここ来るな。テメエにゃ松屋かすき家の粗末な290円牛丼もどきがお似合いだ。マジで。


 出た!出たんだよ!でかいのが!俺の部屋に!こないだ出ないと書いたばっかなのになんと説得力のない!しかし!ついに!壁をつろつろと!超大型黒色もごもご。
 読売新聞型爆雷もキンチョール式毒ガス兵器も誘引剤付粘着地雷もなにもない俺の部屋!ただ押し入れの奥へ消えていくのを黙って見てるだけ!あぁなんともどかしい!そしてロスト!
 これは至急に対策会議を開き敵の先手を打たねば、少し遅い啓蟄といったとこでしょうか。などと呑気なことも言ってられぬ!
 嫌だ!奴らは嫌いだ!飛翔するから!しかもこっちに!だめなんだ!だめなんだよう来ないでくれよう。寝てる間に腕の上を歩くのはやめてくれよう。夜中の便所で踏まれるのはやめてくれよう。
 だめなんだ。どうしても。我々は精子の時点で遺伝子に「奴らは怖い」と根深い傷跡のごとく刻みこまれているのだから。これは生まれた時からあって一生消えない傷跡なんだ。