隔日日記
2003年3月

　めぐる雲と吹き荒ぶ風は、春近づく証である。そうとはいえ、肌はまだまだ冬の痛みを訴え、ストーブに手をかざしても腹から背へ熱が素通りするのみだ。灯油の一滴は血の一滴。
　あぁ誰か僕を暖めてくれないものだろうか。

　エロゲーのデモムービーを集めてMediaPlayer9のタスクバーモードで垂れ流してみた。脳が壊れそうで気持ちいい。仕事で切羽詰まった神経を麻痺させるには良さそうであるが、スクリプトを組みながらだと気が散りそう。

　相変わらず続く鬼残業の中、施主再検査の前夜であった4日に残業が11時間にまで及んだ。定時より長い残業。午前4時に終業してなお、8時に出勤するパラダイス。どこが峠を越えたんだか。（さすがに寝坊した）

　この泥のような疲れは、ずいぶん久しぶりだ。盆と歳末の「アレ」と同じ疲れだ。「寝る暇があったら描け」を掲げ、徹夜に次ぐ徹夜で絵を描いた時と同じ疲れ。身体と心が疲れるほどに集中力が研ぎ澄まされていくような、変な疲れ。
　だとしたら、この先にはカタルシスがあるのだろうか。集中力が霧散してすべてから解き放たれる、無気力と虚脱の空間が。

　さて、今度の日曜にはドキドキの内覧会があります。乏しい給料で一生ローンを組んでまで購入した新居を見に、お客様がご来場なさります。お客様は楽しみでドキドキ。私は間に合うか心配でドキドキ。

　202号室のお客様。お宅の台所の照明、当方の手違いで天井に見当違いな馬鹿穴が空いております。もちろん照明器具なんて付いてません。吊り戸棚なしのオプションなんか選ぶから悪いのです。補修が間に合わなかったらどうしましょう。なんか適当なやつでも付けてごまかしときます？

　203号室、及び403号室のお客様。洗面所の鏡の上にある2個の照明、飾り気のない普通のダウンライトが付いてますが、本当は金色の豪華なやつが付く予定だったんです。でも建築がこっちの指示通りにやってくれなかったので器具が収まらず、仕方なく現在の仕様となりました。110所帯あるうち、この仕様なのは203号室と403号室だけです。
　特に203号室はそれでも器具が入らず、俺が天井の骨組みをブッ壊して付けました。照明器具を外してごらんなさい。器具のてっぺんにあるボルトが削られているでしょう？　それくらいパッツンパッツンなんですね。うふ。

　602号室のお客様。お宅が特注なさったリビングのブリックタイル面、ブラケットがまだ届いておりません。わざわざスペインから直輸入などと面倒なことをなさるから悪いのです。ちなみに、この照明器具の配線、壁に溝を彫って電線を中に埋めるっつぅ無茶苦茶な手法を使っています。施工後にご注文なさるお客様が悪いのですよ。自業自得ですね。

　509号室のお客様。洋室の天井に付いてる火災報知器、ドア側にあったと思いますが、現在は窓側に付いてます。つまり、これから天井をぶっ壊し、無理やり移動させます。消防検査は通ったのに、「パンフレットと違うから」なんて融通のきかない施主が悪いんです。そのパンフレットが間違ってたんだから、やれやれです。うちは悪くないのよ。

　706号室のお客様。リビングのダウンライトがまだ付いておりません。電線がプラーンと垂れ下がってる状態です。照明器具がまだ届いてないので、付けるに付けられません。間に合わなかった場合、どっかで余ったやつが適当に付くことになりますが、あらかじめご了承ください。

　104, 105, 205, 206, 207, 305, 306, 307, 405, 406, 407, 505, 506, 507, 604, 605, 606, 703, 704, 705, 802, 803号室をご購入のお客様。リビングのスイッチがやけに下に付いてるなぁと思いませんでしたか？　実はこのスイッチ、本当は通常の高さにあったんです。後から壁をぶっ壊して、無理やり下へ移動させたんですよ。設計のミスでね、インターホンが扉に当たっちゃったものですから。でも当たらないように移動するとスイッチと干渉しちゃうので、インターホンの下に追いやられた、って感じです。文句は設計事務所に言ってね。うちは悪くないのよ。

　「駅前でこの値段は安いよなぁ、良い買い物をしたよ」なんて思ってるお客様、それはぬか喜びです。ご購入のマンションは超が付くほどの突貫工事でしたので、検査で発覚しなかった不具合が次から次へと出てきます。覚悟しておいてください。
　一時期に比べてマンションはずいぶん安くなりましたが、その分ちゃんと品質も下がってるんですよ。
　本当、知らぬが仏とはよく言ったものです。

　貴方もマンションを買う際は、工期がどんなもんだったか必ず確認しましょう。110世帯が半年で竣工するなんて普通はありえませんから、絶対に手を出しちゃいけませんヨ。

　俺は、明後日こそが残業天国の終わりであることを期待して寝ることにします。明日はどこをブッ壊すことになるのやら…。

　赤松健氏の新連載が始まりましたね。いや、コンビニでパソコン雑誌を漁ってた時に、たまたまマガジンが目に入っただけなんですが。

　思えば、らぶひなの初期設定を見た時、この人の恐るべき企画力のなさに驚き、これを「当たる企画」にまで練り上げたマガジン編集部の優秀さに感心したものです。今回の連載では何回リテイクを食らったんでしょう。
　私は断言しています。マガジンの担当がクズだったら、らぶひなは絶対に当たらなかったし、マガジンでなければ、赤松健氏は普通の凡作家で終わっていたことを。

　ともあれ、今度の魔法先生は30人がターゲットだそうで、今から破綻するのが目に見えるようです。「AIとま」と「らぶひな」で見事に破綻した教訓が全然反映されてなくて、私は笑顔満面。（もしかして、あれで順風満帆のシナリオだったんでしょうか？　それとも「今度こそ」というリベンジなのでしょうか？）

AIとま

正式名称「AIが止まらない」。落雷のショックでパソコンの中の美少女が実体化し、もてない主人公の恋人になる馬鹿漫画。「女神様のパクリ」っつぅ呪われた業を持つ。
コメディ路線で終わればいいのに、下手にシリアスな方向へ持っていったために破綻。この手の話に凡作家が挑戦すると、「人間になってなにかを匂わせつつハッピーエンド」が待っている。（事実そうなった）
…とはいえ、個人的にはかなり好きである。

らぶひな

全国に赤松旋風を巻き起こした馬鹿漫画。前作と同じく、もてない主人公がなんだかモテモテになる妄想絵物語。話が進むにつれ、主人公がたくましい男に成長するのも前作と同じ。
東大云々の設定が初めから終わりまで活かされることなく終わった、素敵な漫画。この人は伏線とかテーマとか、漫画の難しい技法が苦手なようである。そのくせ、ご都合至上主義だけ磨かれているのが憎めない。
…とはいえ、個人的には結構楽しめた。（まぁ色々な意味で）

ぴろあきは赤松健先生を応援しています。

　友人Sが主任に昇進という吉報。めでたい。「社長とその部下達」などという肩書きもクソもない職からしてみれば、シュニンという響きは憧れる。
　思うに、ペンキ屋とかトラックの運チャンとかフリーターとか無職とか公務員とか、ヤクザな友人が多い俺の交友関係において、「普通の会社員」は貴重な存在かもしれぬ。
　頑張れ友人S！　漢が目指すはただひとつ！　代表取締役！

　XHTMLの情報を求めて採用サイトをうろうろしていたら、あるところで「井上瑤さん死去」が大々的に報じられていた。初めて聞く名前だったので最初は「ふーん」くらいにしか思わなかったっていうか、興味はXHTMLの方にあったので特に関心も示さなかったんだけど、セイラ＝マスと聞いてようやくショックを受けた。なんてこった！
　それも癌とは、なんと納得のいかない話だろう。階段から転げ落ちるのと、どっちが納得いかないだろう。あぁ納得いかぬ。勉強どころではなくなったので今日はおしまいとする。

　いや、特にファンとかそういうわけではないのだけど、ファースト世代でショックを受けない奴もおるまいて。
　「それでも男ですか、軟弱者！」
　セイラと言えば俺はこの台詞を思い出すのですが、皆様は？

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　最後に彼女様をご拝顔してから、もう1ヵ月が経つ。残業があまりに長引くと晩飯も現場で喰うため、添い寝くらいしかやることがなく、来ても意味がないからだ。ということは、もう1ヵ月も厳しい残業が続いていたことになる。（過去形）

　これだけ私生活を殺されると、自分に愛する人がいることさえ忘れてくる。自分には娶るべき娘がいる。いるはずだ。いると思う。いるかもしれない。そうして…事実の輪郭がどんどんぼやけてくる。自分は、もしかしたら独り身だったかもしれない。そんな気がしてきた。

　会わなければならない。手を握って、頬をつねって、ぎゅっとして、思い出さなければならない。その感触を、確かめねばならない。

　というわけで、そろそろ仕事に戻らねばならぬ。通勤時間5分を活用した昼飯帰宅も、あとわずか…。

　仕事も落ち着いたってことで、2月3日に購入したスターイクシヲンをようやく初プレイ。ポリゴンでグリグリ動くガイアに感涙。アレンジされたスターラスターのゲームスタート曲にも感涙。ええ時代になったものや…。

　もちろんゲームにも感涙した。もはや涙なくしては語れない。スターラスターのことをなんもわかっちゃいねえ。
　なんというか、「戦闘の緊迫感」がまったくないのだ。被弾してもダメージ感が全然ないし、自機の動きももったりとして重い。いつの間にかダメージを受けていて、いつの間にか撃墜される。弾の当たり判定も厳しいっていうかいいかげん。
　敵誘導弾（バッツーラ）は、誘導性能も弾速も威力も格段に上がり、おまけに小さいので見にくくなった。スターラスターのような「敵弾の慣性を利用して小さな動きで避ける」という芸当が通用しない。
　ワープは徐々に加速していったスターラスターに比べ、手っ取り早くワープ空間に突入してくれる。加速中に攻撃されることもなく、瀕死のダメージを負って逃げる時のリスクがなくなった。そしてリアリティもなくなった。

　驚くべきは、今回は後ろからも攻撃されることだ。いや、考えてみりゃあたり前だけど、レーダー以外に情報がないため、かなり厄介。混戦時にレンジを拡大してる暇があるわけないだろう。
　その上、敵は連続攻撃をしてくるし、数も多いし、ダメージも結構でかいし、そして食らっても被弾感が全然ない。つまり「いつの間にかダメージを受けたと思ったら撃墜されてる」結果になる。
　後ろから攻撃してくるのは歓迎だけど、せめてバックモニタとかアラートとか、そういう機能が欲しかったな。

　これらが示すことは、「ディスラプターの脅威がスターラスターの比ではない」である。背後を取られた時にゃ涙が出る。耐久性もさらに上がったし、誘導弾は避けにくく、一撃で瀕死のダメージを受けるくせして、一度に3機出てくる。まだ遭遇してないが、ビッグディスラプターまで存在する。（グラフィック上はこっちがスターラスターでのディスラプター）
　まぁ、スリリングなのはいいことだ。素人衆はこの辺で投げ出すような気もするけど。

　唯一良かったといえば、敵が基地や惑星を攻撃する時、同一ヘックス上に入ることだ。シールドを張ったサテライトを背景にしての戦闘は、涙なくして語れぬ。シールドにもちゃんと当たり判定があったりして、さらに感涙である。（ハード性能の勝利ではあるのだが）

　まだ始めたばかりなので結論を急ぐには早いが、今のところは「俺のスターラスターを返せ！」である。
　（いつか）続く。

　プレステのメモリーカードを購入するため、仕事帰りにVISCOへ寄る。でないとスターイクシヲンのセーブができんからだ。ついでに震えるコントローラも欲しいなぁと思い、ショーケースをのぞいてみると、2380円。うーん。結構お高い。
　そしてハード売り場を見てみると、中古のプレステ（震えるコントローラ付）が2980円で売っていた。本体価格600円。はて。
　さらにその隣には、Nintendo64 が1680円なる暴力値。さて。

　というわけで、新ハードがいきなりふたつも増加。我が家にある PlayStation と Nintendo64 はいずれも借り物なので、ちょうどいいというものだろう。

　何ヵ月ぶりかに鼠屋敷（友人M宅）へ。しかしイベント2日前という間の悪い時に行ってしまい、製本を手伝わされるはめに。報酬はお約束の「本1冊」。こういうのって良いですなぁ。

　現役を引退してご無沙汰している昨今、コピー紙の手触りが妙に懐かしかった。一冊、また一冊と本ができあがっていく感じが変に懐かしかった。製本技術にかけては群を抜いていた俺の手腕も、すっかりなまっていた。
　今となっては紙も鉛筆も持つことがなくなり、あれほど愛用していたカーボンファイバー製シャーペン（3000円）も、どこに置いてあるのか把握してない。
　そんな俺でも、一応はいずれ復帰するつもりだったりする。siteCTSが落ち着くまでは無理そうだけれど。

　帰りがけ、お土産（？）にホットカーペットを頂戴した。ちょうど欲しいと思ってたとこなのでありがたい。しかも1750mm角と大きく、日本電熱製のちゃんとしたやつだ。
　帰って早速敷いてみたところ、感動的な暖かさ。居眠りしてストーブが時間切れで消えても、寒くて起きることがない。これは魔のアイテムだな。

　ゲームハードも増えたということで、テレビ周りの配線をやり直す。引っ越し時はあれやこれやと混乱していて適当にやってしまったため、かなりカオスってるのだ。で、これをきちんと整理。
　テレビ1がテレビデオだったりテレビ2のスピーカーが壊れてたりコンポのCDが壊れてたりするため、ご覧のような複雑っぷり。

　ゲームをやる時/CDをサターンで聴く時のルート
　

　テレビ/ビデオを見る時のルート（アンテナ入力はテレビ1）
　

　さて、誰が理解できるのであろうか。（俺にも無理だ）

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　Windowsの全バージョンにかなりでっかいセキュリティ穴が見つかったので、ユーザーの皆様はWindows Updateを実行しましょうね。
　さもなくばJScriptユーザーの私が、この脆弱性を利用して悪意のあるコードをあなたがお使いになっているコンピュータ上で任意に実行する可能性があります。このコードが実行されたコンピュータは、ただちにYahooオークションでタイムマシンを購入しないとハードディスク上の全データが破壊されます。とか。

　MS03-008に関する情報
　Windows Update

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